労災が認められなかった場合の審査請求、再審査請求
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STEP3
審査請求
あなたの申請が、労基署長によって業務外(労災ではない)と判断されても、すぐに諦める必要はありません。 巻きかえす機会はまだ幾重にも用意されています。
労基署長の決定に不満がある場合、まずあなたは3ヶ月以内に審査の再リクエストをすることが可能です。(請求は無料)
不満がある場合とは、典型的には労災であると認められなかった場合を指しますが、 それ以外にも、例えば労災であることは認められたものの、後遺症の等級の認定が低すぎるとか、 まだ治療が必要なのに治癒したとみなされたことに不満であるとか、色々なケースがあります。
審査請求書は国のホームページからダウンロードできます。
(PDFファイルです。)
この再リクエスト(審査請求)は、労基署長へ行うものではありません。 労働局という役所に置かれる、「労働者災害補償保険審査官」に行います。↓
審査する役所が変わるのですから、決定がくつがえっても良さそうなものです。 しかし残念ながら現実には、棄却されるケースがほとんどです。↓
しょせん労基署も審査官も、国の定めた同一の基準を使って判断をするので、 結果が変わる可能性は低いのです。
結果がくつがえるのは、 新たな証拠が見つかった(裏を返せば、最初の申請の際に充分な準備をしていなかった)ときや、
あるいは、医師の間でも意見が分かれるような難しいケースにおいて、 審査官側の医師がこちらの味方をしてくれたとき、などが多い印象です。
なおこの審査請求、結果が出るまでに半年から1年かかることが多いようです。 しかし3ヶ月が過ぎても結果が出ないときは、結果を待たずに次のステップ(後述する再審査請求や国との裁判)に進むことが許されています。
STEP4
再審査請求
再リクエストした結果も満足のいくものではなかった場合、あなたは2ヶ月以内に審査の再々リクエスト(再審査請求といいます)をすることが可能です。 請求に費用はかかりません。
この再々リクエストは厚生労働大臣の下に置かれる、「労働保険審査会」へ行います。↓
しかしこの再々リクエストで、結果がくつがえることはほぼありません。
統計によれば、95%ぐらいが棄却されています。
まぁそういう感もないではありません。
以前は「審査請求→再審査請求」の2つを経なければ次のステップ(後述する国との裁判)に進むことができず、 期待が薄くても行うしかなかったのですが、平成28年の法改正により、再審査請求の方は飛ばすことができるようになりました。
審査請求の決定が出た後にすぐ裁判を起こすのも、1つの手ではあります。
なおこの再審査請求、結果が出るまでに半年からそれ以上かかることが多いようです。 しかし結果を待たずに次のステップ(後述する国との裁判)に進むことも許されています。
とはいえ結果を待てば、どういう理由で棄却されたのかを詳しく通知してもらえるので、
せっかく再審査請求をしたのであれば、決定を待ってから次のステップ(国との裁判)に進むほうが望ましいといえます。
再審査請求書は国のホームページからダウンロードできます。
(PDFファイルです。)
参考までに、国のホームページに掲載されている記載例を紹介しておきます。
(PDFファイルです。)
さて、ここまでは労災の認定をめぐる再リクエストについて見てきました。 これも通らなかったときは、最後の手段として国を訴える裁判を起こすことができます。 次のページで見ていくことにしましょう。
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